JAL Global WALLETはお得なのか?両替レートを調べてみたら若干引いた件
少し前の昨年11月末ですが、JALがSBIグループとの共同事業として、トラベルプリペイドカードであるJAL Global WALLETの提供を始めました。
お得かどうかちょっと調べてみたら、ちょっと驚いたので、まとめておきます。
マイルがたまるのだが…
国内ショッピング、海外ショッピング、さらに両替でマイルが貯まるとのこと。200円につき1マイルとのことで、0.5%還元。まあ無料ならこんなもんでしょうというところですが、現地通貨をATMで下ろす場合にも両替が入るためマイル付与の対象になるのは意外。さらに以下の図を見ると、海外ショッピングに関してはショッピングで0.5%+両替で0.5%の1%還元になるように見えます。これもかなり意外。(図があってるのか心配になります)
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レートが重要だが、はっきり書いてない
とはいえ、為替レートが重要。レートが悪かったらマイルをもらったところで割に合いません。
が、どのくらい手数料を取るかはっきりとは書いてないんですよね。ここのページにはいかにもお得なように書いてありますが、比較対象が国内の現金両替です。国内の現金両替のレートは最悪クラスなので、これと比べて良かったところで大して驚くことはありません。
15通貨以外は4%なので、クレジットカードよりレートが悪いが、プリペイドとしては普通
両替のページをよく見てみると、「当社取扱通貨以外の通貨については、ご利用時点のマスターカードで定める為替レートを適用し、4.0%の海外事務手数料を申し受けます。」という記述があります。クレジットカードではここの手数料が1.63%〜2.16%なので、2%ほどレートが悪く、お得とは言い難いです。
とはいえ、このくらいの手数料はプリペイドカードではありがちで、普通といえば普通です。
なお、クレジットカードで海外ATMでキャッシングする場合は手数料自体が乗らないため、4%も損してしまいます。
取扱通貨の手数料はなんともっと悪い!(米ドル・ユーロは若干マシ)
そして肝心の取扱15通貨はどのくらいお得なのでしょうか?15通貨には米ドル、ユーロから台湾ドル、韓国ウォン、中国元、香港ドルなどが含まれるため、実際に使う際はこちらの15通貨に含まれることも多いでしょう。「手数料はかかりません」などと書いてありますが、為替レートの時点で手数料が上乗せされているので、お得ということを即意味しているわけではありません。
で、はっきり書いてないのですが…これを見つけた人は凄いですね。以下のページの「資金決済法に基づく表示」というPDFファイルにこっそり書いてあります。
これはなかなか凄まじい…がっつり手数料乗せてますね。15通貨以外の場合は、マスターカードの算出するレート(手数料が乗ってない値)+4%なので、米ドルとユーロとスイスフラン以外の12通貨は対応してしまったがために、むしろかなり割高になってしまうということに…(上限ということなので、もしかしたらもっと安いのかもしれませんが…)
なお、例えばソニー銀行も同じような仕組みを持っていますが、1米ドルにつき0.15円なので、0.1%、手数料の高い中国元ですら1.8%です。
分かりやすく書いてないと思って調べてみたらこれって、酷くないですか…
ただし、Visaのレートに4%載せているNEO MONEYは、米ドルとユーロに関しては現金両替より損してしまうと書かれているので、少なくとも国内での現金両替より常にマシというのはメリットかもしれません。
日本は北米とアジアの中継点
前回、アイスランドとフィンランドを取り上げて、それぞれが北米とアジアとの中継点になっていることを紹介しました。
が、中継点としてこの上なく身近な国があります。それは日本です。北米からアジアのルート上に位置します。しかも特に、北米と東南アジアはかなり離れているので、どこかで乗り継ぎが必要になることも多いのです。
逆にアジアとヨーロッパのルートではそのような地理的な利点はありません。ヨーロッパからだと、だいたいどこも似たような距離であり、その中でも日本はアジアの端に位置しているため、乗り継ぎとしては有利な位置ではありません。
アジア域内の乗り継ぎに関しても、アジアの端であるという位置がネックになります。
これが、日系航空会社が羽田にヨーロッパ便を優先して移動させていたことの背景にあります。北米から飛んできた客を成田でアジア便に載せ替える需要(もしくはその逆)があるのに対し、ヨーロッパ便にはその需要が薄く、国内の需要を優先させられるためです。
ちなみに、今やANAの成田発のヨーロッパ便はデュッセルドルフ(ドイツ)とブリュッセルの2路線2便しかありません。対する羽田発は5路線6便。
羽田の割り当てが少なかったJALでさえ、成田発はフランクフルト、ヘルシンキ、モスクワの3路線3便で、羽田発がロンドン・パリの2路線3便という状況。
なお、中にはかなりの長距離をノンストップで飛べる飛行機もあり、シンガポールとニューヨークを18時間ノンストップで結ぶ飛行機もあるようです。
記事を見ると、エコノミークラスは用意しないとのこと。やはりキツそうですからね。案外レビューは好評ですが、金融ハブのシンガポール・ニューヨーク間だからできる芸当かもしれませんね。
アイスランドは欧州と北米の中継点
さて、前回紹介したアイスランドのWOWエアーですが、アイスランドの観光は最近絶好調だそうです。航空会社としては商機到来ですが、アイスランドの航空会社はもう一つ狙っていることがあるそうです。それは、欧州と北米を結ぶ中継点となること。
いささか北にありすぎる印象のアイスランドですが、飛行ルートという意味ではそんなに悪くないんですね。日本からヨーロッパに向かう際、ロシアの上空を延々と飛行するのと同じような感覚でしょうか。
ちなみに、同じことを欧州とアジアでやろうとしているのがフィンランドのフィンエアーです。例えば日本路線に関しては、9割が乗り継ぎ客だそうです。
乗り継ぎといえば、すっかり定着した中東経由もありますね。(エミレーツ航空など)ただし、そちらは飛行時間がより長くなります。イタリアやスペインといった、ヨーロッパの南の方に行くならいい選択だと思います。
そもそも両替レートってどうなってるの?
以前、日本と現地での両替のレートを比較してみましたが、そもそも両替のレートとはどうなっているのか、簡単に紹介します。
前回も紹介した三菱UFJ銀行系の以下のサイトが分かりやすいので出します。
米ドルのレートは以下のようになっています。
- 日本円→米ドル: 1ドル 114.60円
- 米ドル→日本円: 1ドル 108.80円
つまり、その場で日本円→米ドル→日本円と続けて両替を行なった場合、お金が減ります。減った分が手数料です。テレビなどで報道される為替レートというのがこの2つのレートの間にあって、そこから銀行が手数料を載せることで、一般消費者に対する両替のレートが決まります。
通貨によって手数料の違いがある
表を見ていけば一目瞭然ですが、手数料が高い通貨と安い通貨があります。例えば、外貨の購入レートを売却レートと比較みると、米ドルが+5.3%、ユーロが+6.5%なのに対し、シンガポールドルが+15.2%、英ポンドが+17.9%、韓国ウォンが+36.1%、スウェーデンクローナに至っては+49.7%になっています。
需要の少ない通貨間だと売買が活発でないせいで手数料が高めになりやすいとのことです。(それだけが原因では無いようですが。)
それにしてもスウェーデンクローナは激しいですね。現地で現金を全く使わなかったので、手元に残っているクローナがあるのですが、国内で変えるのはやめようと思います。笑
航空会社が倒産して突如チケットがパーになることは時々ある
アシアナ航空が売却へ。倒産の激しい航空会社たち。
つい先日、韓国の航空会社第2位のアシアナ航空が売却されるというニュースが出ていました。
錦湖アシアナグループという中堅財閥の一員だったんですね。クムホといえば、クムホタイヤというのもあったなと思いましたが、こちらも2017年末にグループを離脱しているとのこと。
今回の件は経営不振とはいえ倒産ではありませんが、航空会社は結構潰れるもので、日本だと日本航空が倒産したのが記憶に新しいところ。国内だけではなく、例えば米国の航空大手3社(アメリカン航空・デルタ航空・ユナイテッド航空)は全て倒産しています。
JALの経営再建時に一時期、アメリカン航空との提携をやめてデルタ航空に切り替える案も浮上したようなのですが、アライアンスの乗り換えコストを嫌ってJALは引き続きアメリカン航空との提携を続けます。その時に言っていたのが「アメリカン航空は唯一倒産していない航空会社。そのノウハウを共有したい」というものでした。しかし、後にアメリカン航空もあえなく倒産し、USエアウェイズと合併した上で今に至ります。
日本と現地、どちらで両替する方が得なのか調べてみた
全世界的にキャッシュレス化が進んでいますが、一応少額の現金は持っておくと安心できます。というわけで、海外で現地通貨を調達する場合、どうするのがお得か考えてみます。
現金を調達するのにどんな手段があるでしょうか?とりあえず以下のようなところが考えられます。
- 日本で現地通貨に両替する
- 現地で日本円を両替する
- 現地のATMでクレジットカードを使ってキャッシングする
- 現地のATMでデビットカードを使って現金を引き出す
- 現地のATMでプリペイドカードを使って現金を引き出す
そのうち、現金での両替について考えてみます。
日本と現地、どちらで両替するのがお得?
一般的には、交換先より通貨がマイナーな方の国で両替した方が手数料が安いと言われています。
日本の場合は、米ドル、ユーロに関しては日本で両替した方が良いと言われますし、アジアの通貨に関しては一般に現地の方が手数料が安いと聞きます。
実際日本と現地でいくらくらい違うのか?
一般的に言われているので〜と言いつつ、実際に比べる機会ってほとんどありません。なのでWebで調べてわかる範囲で書いてみます。
三菱UFJ銀行系のサイトでは両方向のレートが出ていたので、こちらを日本の代表として採用してみます。
一方、海外は日本を含め各地の空港でよく見かけるトラべレックスを比較対象にしてみました。(以下は米国のサイト。国を切り替えると各国の通貨から両替する場合のレートが調べられます。)こちらは、外貨で日本円を買うレートしか出ていません。
結果
で、結果は以下の通り。お得な方が太字です。
米ドル→日本円
日本 1USD = 108.80JPY (+9.2%)
米国 1USD = 99.58JPY
ユーロ→日本円
日本 1EUR = 122.16JPY (+3.0%)
フランス 1EUR = 118.56JPY
カナダドル→日本円
日本 1CAD = 74.98JPY
カナダ 1CAD = 75.43JPY (+0.6%)
英ポンド→日本円
日本 1GBP = 133.98JPY
イギリス 1GBP = 138.99JPY (+3.7%)
中国元→日本円
日本 1CNY = 14.92JPY
中国 1CNY = 16.32JPY (+9.4%)
マレーシアリンギット→日本円
日本 1MYR = 22.60JPY
マレーシア 1MYR = 26.09JPY (+15.4%)
英ポンドなんかはどちらが得なのだろうと思いましたが、どうやらイギリスで両替した方がまだお得だったようですね。
ただ、米ドル、ユーロを日本で両替するケースと、東アジア・東南アジアの通貨を現地で両替するケース以外では、どちらにしても現金の両替はレートは結構悪くなるという印象があります。
いつの時刻でのレートがウェブページに表示されているか、また業者ごとの手数料の差があるので、絶対的な数値は参考程度ですが、傾向は分かるかと思います。思った以上に綺麗に分かれるものなんですね。